2021年12月10日
エール大学のWu Dianquing教授は、広く使用されている抗がん剤であるパゾパニブが、COVID-19などの重症急性呼吸器症候群を引き起こすコロナウイルスによる肺損傷など、ウイルス感染による、あるいはウイルス感染に関連する肺損傷の治療や予防に適している可能性を発見した。最近公開されたPCT特許出願(WO2021236935)では、急性肺損傷(ALI)、肺線維症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)など、これらの感染症にしばしば関連する肺損傷を治療または予防する方法が提供されている。この方法は、パゾパニブなどのMAP3K2/MAP3K3阻害活性を有するプロテインキナーゼ阻害化合物を含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。
以下のように調製したHPBCDベースの製剤を、実験例を通じて試験した。
1 . 3.294mlの精製水を、小さなマグネチックスターバー付きの小さなビーカーに入れる。
3mg/kgbwのパゾパニブをマウスに眼窩後面注射で投与した。パゾパニブの医薬組成物を3mg/kgbwで3回投与したところ、マウスのコロナウイルスによる急性肺損傷モデルにおいて、肺の透過性が有意に低下することが示された。
Wu教授のスピンアウト企業であるQx Therapeutics Inc.は、上記の特許を出願し、重篤な症状を呈するCOVID-19感染症患者を対象とした第2相臨床試験において、米国食品医薬品局から「安全に進められる」との承認を得た。
詳細については、特許出願人のホームページ[1]およびWu教授のサイト[2]を参照すること。
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