2021年9月5日
近年,ナノスケールの有機金属フレームワーク(nanoMOF)に多目的コーティングを施したナノ粒子が開発され,ナノメディシンの分野で注目されている。抗がん剤であるドキソルビシン(DOX)を送達するために,コアシェル型のMIL-100(Al)ナノMOFを作製した。DOXはMOFに効率的に取り込まれ、初期搭載量に応じて段階的に放出された。さらに、生分解性のγ-シクロデキストリン-クエン酸オリゴマー(CD-CO)を用いたコーティングは、DOXとMOFコアの両方に親和性があった。DOXは、コーティング材との親和性により、より早く取り込まれ、放出された。1H-1Hおよび13C-27Alの二次元NMRを含む一連の補完的な固体核磁気共鳴(ssNMR)実験を用いて、MIL-100(Al)コアシェルシステムに関わる複数の相互作用について深く理解した。そのために,13Cで標識されたシェルを合成した。本研究は、ナノMOF成分の分子スケールでの局在性を評価し、生物学的応用に主要な役割を果たすナノMOFの物理化学的特性を調査する方法論への道を開くものである。
Li, X.; Porcino, M.; Qiu, J.; Constantin, D.; Martineau-Corcos, C.; Gref, R. Doxorubicin-Loaded Metal-Organic Frameworks Nanoparticles with Engineered Cyclodextrin Coatings: Insights on Drug Location by Solid State NMR Spectroscopy. Nanomaterials 2021, 11, 945. https://doi.org/10.3390/nano11040945
This website uses cookies.