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シクロデキストリンポリマーによる水からの新興汚染物質の除去(本の章)

現在、新興汚染物質による水質汚染は、社会や公的機関にとって大きな懸念材料であり、優先課題となっている。新興汚染物質とは、環境中で日常的に監視・規制されておらず、環境や人間の健康に既知または疑わしい悪影響を及ぼす可能性のある天然・合成化学物質や生物学的物質のグループである。これらの物質のリストは特に長く、医薬品、パーソナルケア製品や化粧品、殺虫剤、界面活性剤、工業製品や添加物、ナノ粒子やナノ材料、病原体などが含まれる。これらの多くは、非常に低濃度であっても継続的に使用され、環境中に放出されており、中には慢性毒性、人や水生生物の内分泌かく乱作用、抗生物質耐性菌の発生などを引き起こすものもある。そのため、人の健康と生物多様性を守るための努力を結集する必要がある。

本章の目的は、廃水中に微量に存在するエマージング汚染物質を除去するために提案されている先進的な処理法について、最近の知見を紹介することである。廃水処理プラントに関する一般的な考察の後、第1部では、従来型(活性炭、粘土)または非従来型(サイクロデキストリンポリマー、有機金属フレームワーク、分子インプリントポリマー、キトサン、ナノセルロース)の吸着剤を用いた吸着志向のプロセスに焦点を当てている。サイクロデキストリンビーズポリマーのようなバイオ吸着剤は、まだ実験室での研究段階ではあるが、環境への応用に大きな可能性を秘めている。

Nadia Morin-Crini, Eric Lichtfouse, Marc Fourmentin, Ana Rita Lado Ribeiro, Constantinos Noutsopoulos, Francesca Mapelli, Éva Fenyvesi, Melissa Gurgel Adeodato Vieira, Lorenzo A. Picos-Corrales, Juan Carlos Moreno-Piraján, Liliana Giraldo, Tamás Sohajda, Mohammad Mahmudul Huq, Jafar Soltan, Giangiacomo Torri, Monica Magureanu, Corina Bradu, and Grégorio Crini: Emerging contaminants. Chapter 1, In: Morin-Crini, Nadia, Lichtfouse, Eric, Crini, Grégorio (Eds.) Emerging Contaminants Vol. 2 Remediation. Springer (2021)

Japanese cyclodextrin researcher

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