2021年3月8日
汎用されている環状オリゴ糖であるシクロデキストリンの中で最も小さな分子はグルコース6分子からなるα-シクロデキストリン(α-CD)である。NAGASEグループの株式会社林原は、水溶性食物繊維「環状四糖水あめ」の工業スケールでの製法を確立し、各種性質を確認したとプレスリリースした。環状四糖水あめの主成分である環状四糖は、グルコース4分子が環状に結合したユニークな構造を持つ低分子の食物繊維で、日本酒や酒粕のような発酵食品に含まれており、日本人が古来より摂取してきた食経験のある糖質である。この環状四糖水あめの製法、物性、安全性、生体への影響などの研究成果を、日本農芸化学会2021年度大会(3月18日~21日:宮城県仙台市 東北大学、オンライン開催)において発表予定である。
環状四糖水あめは、グルコース4分子が環状につながった環状四糖(シクロニゲロシルニゲロース;CNN)を主成分とする水あめ形態の食物繊維素材で、澱粉に林原独自の酵素を作用させて作られる。製法検討を重ねた結果、食物繊維含量が高く、粘度が低い物性で、食品応用しやすい食物繊維素材が得られた。今回の学会においては、環状四糖水あめの製法、物性、消化性や最大無作用量などの安全性、エネルギー、また、整腸作用や腸管免疫の増強作用などの機能性、さらに主成分である環状四糖のインスリン抵抗性改善効果など、合わせて6演題の発表を行う予定とのことである。
林原 プレスリリース 2021年3月5日 https://www.hayashibara.co.jp/data/3486/press_tp/
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