2021年9月13日
中枢神経系(CNS)の複雑さと構造は、血液脳関門(BBB)と血液脳脊髄液関門(BCSFB)の存在によって広く調整されている。これらの関門は、あらゆる種類の望ましくない外来物質の交換を妨げる生化学的で動的な障害として機能する。これらの障壁が破壊されると、通常、遺伝的疾患、局所的な抗原の侵入、自己免疫疾患などの結果として、神経障害が発生する。このような障害は、比較的罹患率が低い、または中程度の希少なCNS関連疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病を除く)の形をとることがあり、現在のナノターゲティング療法による治療法の一部となる可能性がある。実際、この分野で最も有望な治療法の1つは、ドラッグデリバリーシステムと診断ツールに分けられるナノテクノロジーの開発によるものである。残念ながら、ナノ治療法を用いてこれらの希少疾患を治療することを目的とした研究の数は限られているが、これはほとんどの場合、産業界の製薬会社が関心を持っていないことが原因である。本レビューでは、これらの希少なCNS疾患のいくつかの概要を示し、これらの疾患の生理病理を議論する。また、ナノセラピーが信頼できる治療法としてどのように関心を持たれるかが強調され、最後にこの分野での効率的な治療法の開発を妨げる主要な問題も取り上げられている。
このレビューでは、コレステロールをナノキャプチャーすることで作用するニーマン・ピック型C病の治療におけるシクロデキストリンについて言及している。
Faouzzi A, Roullin FG: Think Big, Start Small: How Nanomedicine Could Alleviate the Burden of Rare CNS Diseases. Pharmaceuticals 2021, 14(2), 109; https://doi.org/10.3390/ph14020109
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