2022年2月3日
Nature Newsは、Covid-19の治療のために開発された抗ウイルス剤を評価した。
臨床試験のデータによると、ニュージャージー州ケニルワースの製薬会社メルクとフロリダ州マイアミのバイオテクノロジー会社リッジバック・バイオセラピューティクスが開発したモルヌピラビルは、プラセボを飲んだ人と比べて入院と死亡を30%減少させたという。一方、ニューヨークに本社を置くファイザー社のパックスロビド(ニルマトルビルとリトナビル)は、入院と死亡を89%減少させた。英国の規制当局は11月にモルヌピラビルを、12月にパクスロビドを承認し、米国の規制当局は12月に両薬剤を緊急承認した。
パクスロビドはSARS-CoV-2の主要なプロテアーゼを阻害し、モルヌピラビルはそのRNAポリメラーゼを騙して薬剤の一部をウイルスのRNAに組み込み、多くのエラーを発生させてウイルスを生存できなくする。第3の薬として、ギリアド社(本社:カリフォルニア州フォスターシティ)が開発したレムデシビルは、RNAポリメラーゼを阻害するが、治療費が高く、現在3日間連続の点滴が必要で、多くの人にとって手が届きにくい。
もし、この治療法が患者のウイルスを完全に駆逐できなかった場合、この治療法が作り出すRNAエラーの一部が、併用する他の薬剤に対する耐性をウイルスにうっかり与える可能性がある。そのため、研究者にとって、ウイルスのRNAポリメラーゼを効果的に阻害し、パックスロビドなどのプロテアーゼ阻害剤と併用できる、入手しやすい薬剤を見つけることが重要な優先事項となっている。ギリアド社が現在試験中のレムデシビルの経口版がその選択肢のひとつになるかもしれない。
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