2021年10月29日
当研究室では、シクロデキストリンを用いた効率的な脂質交換法を開発した。これにより、人工膜の外層膜や生きている細胞の細胞膜の脂質を、外因性の脂質でほぼ完全に置き換えることが可能になった。脂質の交換・置換により、脂質の組成や非対称性が、膜ドメインや膜タンパク質の構造や機能にどのように影響するかを詳細に調べることができる。この総説では、主にメチルアルファシクロデキストリンを用いてリン脂質やスフィンゴ脂質を交換することで、細胞内でのシクロデキストリン交換の進展をまとめるとともに、細胞内で脂質交換実験を行う際に考慮すべき点を論じている。また、脂質交換の解釈に影響を与える問題についても議論している。これには、脂質交換によるドメイン形成の変化がタンパク質の機能にどのように影響するかの解釈も含まれる。
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