Niemann-Pick Deisease Type C(NPC)およびアルツハイマー病の治療のためのシクロデキストリンベースの製品を開発している臨床段階のバイオテクノロジー企業であるサイクロ・セラピューティクス社は、昨日、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPBCD)を用いたアルツハイマー病の治療に関する国際特許出願を同社のウェブサイトで発表した。[1]
3月初め、サイクロ・セラピューティクス社は、静注薬「トラプソル®サイクロ™(HPBCD)」について、NPC-1患者を対象とした第I相試験の安全性プロファイルが良好であることを発表した。NPC-1を対象とした第I/II相試験は5月下旬に発表される予定。[2]
新しい国際特許出願(WO 2020/092107 AI)[3]は、サイクロ・セラピューティクス社のTrappsol® Cyclo™ HPBCDによるアルツハイマー病の治療について記載している。この特許の発明者は、サイクロ・セラピューティクスの経営チームのシャロン・H・フリンコウ博士、ジェフリー・L・テイト博士、およびN・スコット・ファイン氏である。
CEOのN.スコット・ファインは次のように述べている。”今回の国際特許出願の発表は、当社がさらなる適応症に向けてTrappsol® Cyclo™を開発する上で、さらなる進展を示すもので、アルツハイマー病は今後も益々重要なヘルス・イッシュであり、当社のような革新的な治療法が必要とされている。
CSO、シャロン・フリンコウ博士によると “アルツハイマー病は、それに苦しむ人々、家族、そして社会に多大な影響を与える。いまだその疾患に対する治療法が確立されていないため、この特許出願に記載されているような治療法への新しいアプローチが緊急に必要とされている。
特許出願を見てみると、HPBCDをアルツハイマー病の治療に使用することを目指したと主張している。投与量は、NPCの臨床試験で使用された1500~2500mg/kg/2週間に対し、500~1500mg/kg/月と、NPCの治療に比べてやや低めに設定されている。この治療法では、他の様々な原薬との併用が可能であり、3ヶ月から12ヶ月の間に持続する可能性がある。サイクロ・セラピューティクス社はすでに早期臨床試験を計画している。
シクロデキストリンの同様の使用は、Asdera LLCが先に出願した国際特許出願(WO 2017/163128)[4]に開示されている。本発明は、HPBCDおよびHPACD(ヒドロキシプロピル-α-シクロデキストリン)を幅広い疾患のために使用することに基づいており、これらのシクロデキストリンを神経変性疾患の治療/予防に適用することを規定する請求項、およびアルツハイマー病およびパーキンソン病の改善における有用性を指摘する別の請求項を含んでいる。投与量は1~1000mg/kgが推奨されている。
参考文献
[1] “Cyclo Therapeutics Reports Publication of International Patent Application for Treatment of Alzheimer’s Disease” (2020) https://ir.stockpr.com/cyclotherapeutics/company-news/detail/522
[2] “Cyclo Therapeutics announces positive safety profile of its drug Trappsol Cyclo” (2020) Cyclodextrin News
[3] Hrynkow, S. et al., “Methods for Treating Alzheimer’s Disease” (2020) International Patent Apllication WO2020092107
[4] Wittkowsky, KM., “Use of Cyclodextrins to Reduce Endocytosis in Malignant and Neurodegenerative Disorders” (2017) International Patent Application WO2017163128
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