2021年6月1日
Science Newsによると、SBECDが製剤化し、現在米国でCOVID-19患者の治療に承認されているレムデシビルと、C型肝炎ウイルス(HCV)用の再利用薬を組み合わせて使用すると、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の抑制効果が10倍になることが分った。
研究者たちは、スーパーコンピュータを使って、薬剤がウイルスのタンパク質にどのように結合するかをモデル化し、HCVの10種類の薬剤が、Mproと名付けられたSARS-CoV-2のMainプロテアーゼにぴったりと結合することを予測した。さらに、これらの薬剤のうち7種類が、実際にSARS-CoV-2のプロテアーゼを阻害することも示された。次に研究チームは、これらの7種類の薬剤が、培養したサルとヒトの細胞でSARS-CoV-2ウイルスの複製を阻害するかどうかを実験した。その後の実験で、4種類のHCV治療薬が、PLproと呼ばれる別のSARS-CoV-2プロテアーゼを阻害することを発見し、研究者たちは驚いた。この発見は非常に重要であった。7種類のHCV治療薬をそれぞれレムデシビルと組み合わせて実験したところ、予想外にPLproを標的とした4種類の薬(ボセプレビル(BOC)、ナルラプレビル(NAR)、バニプレビル(VAN)、テラプレビル(TEL))だけが、レムデシビルの効果を10倍も高めることができた。
レムデシビルの大きな欠点は、静脈内に投与しなければならないことで、すでに入院している患者にしか使えないことである。 SARS-CoV-2のポリメラーゼを阻害する経口薬を開発することが、外来での有効な治療法を開発するために重要である。
Khushboo Bafna, Kris White, Balasubramanian Harish, Romel Rosales, Theresa A. Ramelot, Thomas B. Acton, Elena Moreno, Thomas Kehrer, Lisa Miorin, Catherine A. Royer, Adolfo García-Sastre, Robert M. Krug, Gaetano T. Montelione. Hepatitis C Virus Drugs That Inhibit the SARS-CoV-2 Papain-Like Protease Synergize with Remdesivir to Suppress Viral Replication in Cell Culture. Cell Reports, 2021; 109133 DOI: 10.1016/j.celrep.2021.109133
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