2021年7月24日
アミド結合で環状化したシクロデキストリンベースのラジアルポリカテナンの合成とそれに続く水溶性誘導体の作製
CDベースのラジアルポリカテナンは,β-CDとチオール化したプルロニックとの間でポリプソイドロタキサンを形成し,その後ジスルフィド結合を介して環化することにより,ワンポットで合成される。しかし、CDのポリカテナン誘導体を合成した報告はない。ジスルフィド結合はCDポリカテナン誘導体を合成するのに十分な安定性を持っていない。そこで、β-CD/汚染されたプラロニックポリプソイドロタキサンを塩化テレフタロイルで環化することにより、アミド結合を介して化学的に安定なβ-CDポリカテナンを調製した。これにより、安定した化学構造を持つポリカテナンの誘導体化が可能となり、アミノ化、サクシニル化、ヒドロキシプロピル化した3種類の水溶性ポリカテナンを合成することができた。本研究成果は、ポリカテナンを用いたスライドリング材料、薬物キャリア、バイオマテリアルなどの作製に有用な情報を提供するものである。
Morita, K., Motoyama, K., Kuramoto, A, Onodera, R., Higashi, T. Synthesis of cyclodextrin‐based radial polycatenane cyclized by amide bond and subsequent fabrication of water‐soluble derivatives. J Incl Phenom Macrocycl Chem 100, 169–175 (2021). https://doi.org/10.1007/s10847-021-01068-4
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