2021年8月12日
シクロデキストリンは、親油性海洋毒素のパッシブサンプリング用の新しい持続可能な材料として提案されている。2つの適用シナリオがテストされた。まず,β-シクロデキストリン-ヘキサメチレンジイソシアネート(β-CD-HDI)およびβ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン(β-CD-EPI)ポリマーを含むディスクを,異なる日数(2,12,40),微細藻類(Prorocentrum lima)の培養液に浸した。LC-MS/MS分析の結果,遊離のオカダイン酸(OA)とジノフィシストキシン-1(DTX1)がシクロデキストリンに捕捉され,その含有量は浸漬時間とともに増加した。シクロデキストリンは、OAよりもDTX1の捕捉効率が高かった。2つ目の実験では、β-CD-HDI、β-CD-EPI、γ-CD-HDI、γ-CD-EPIを含む円盤を、2020年2月のDinophysis sacculusのブルーム時にEl Masnou(北地中海)の港湾水に展開した。遊離したOAとペクテノトキシン-2(PTX2)がシクロデキストリンに捕捉された。毒素の含有量は、Dinophysis sacculusの細胞数が多いサンプリングポイントおよびサンプリング週で高かった。この場合、PTX2のシクロデキストリンによる捕捉は、OAによる捕捉よりも効率的であった。このように、シクロデキストリンは、P. lima株の毒素プロファイルやD. sacculusのブルームの空間的・時間的なダイナミクスに関する情報を提供し、環境モニタリングのためのパッシブ・サンプリング材料として有効であることが証明された。
Mònica Campàs, Maria Rambla-Alegre, Charlotta Wirén, Carles Alcaraz, María Rey, Anna Safont, Jorge Diogène, Mabel Torréns, Alex Fragoso, Cyclodextrin polymers as passive sampling materials for lipophilic marine toxins in Prorocentrum lima cultures and a Dinophysis sacculus bloom in the NW Mediterranean Sea, Chemosphere, 285, 2021, 131464, https://doi.org/10.1016/j.chemosphere.2021.131464.
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