抗がん剤ナノキャリアとしての能力を比較検討するために、D-マルトースで修飾したβ-シクロデキストリン誘導体(β-CD-M)を合成した[1]。β-CD-M合成の成功は、核磁気共鳴(NMR)、フーリエ変換赤外分光(FT-IR)、走査型電子顕微鏡(SEM)という一般的な特性評価技術によって検証されました。SEMの結果、得られたβ-CD-M分子は100 nm以下の結晶構造を有していることが示された。以下では,抗がん剤のモデルとしてmethotrexate(MTX)とdoxorubicin(DOX)を別々にβ-CD-Mに担持させ,その放出プロファイルを求めた。MCF 10A細胞に対する細胞毒性試験の結果から,β-CD-Mは生体適合性があり,薬物キャリアとして使用できることが示された。これらの結果から,合成した生体適合性β-CD-Mは,未修飾のβ-CDと比較して,より多くの薬物負荷容量と制御された放出プロファイルを持ち,抗癌剤送達のための潜在的なナノキャリアとして提案することができる。
その他、6-O-α-Maltosyl-β-cyclodextrin hydrate は Sigma Aldrich から購入できる。
(https://www.sigmaaldrich.com/HU/en/product/sigma/m9672)
[1] Hediyeh Ebrahimpour, Yousef Toomari, Malihe Pooresmaeil &Hassan Namazi (2022) Cluster of D-maltose clicked to β-cyclodextrin: preparation and its application as a biocompatible drug delivery nanovehicle. Soft Materials Published online: 31 Dec 2021. https://doi.org/10.1080/1539445X.2021.2019056
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