β-シクロデキストリン(β-CD)を用いて,酢酸エチルと水を溶媒として,エビの脂質からコレステロールを除去した。コレステロールを取り込んだβ-CD複合体(β-CD-CL)を回収し,コレステロールを取り込んだβ-CD(β-CD-CL)をエタノールを用いて超音波で処理し,コレステロールを含まないβ-CD(R-β-CD)を得た。リサイクルβ-CD(R-β-CD)は,純粋なβ-CD(P-β-CD)と比較して,エビの脂質からのコレステロール除去の再利用性を検討した。R-β-CDは94%のコレステロール除去率を示したが,P-β-CDでは95%が達成された。DSC(Differential Scanning Calorimetry)では、R-β-CDの融点がわずかに低下していた。しかし,FTIRとNMRの結果から,R-β-CDの官能基とプロトンのスペクトルはほとんど変化しないことがわかった。また,R-β-CDで処理したオイルの脂肪酸含量は,P-β-CDで処理した脂質のそれよりもわずかに高かった。β-CDの再利用性については,コレステロール除去能力が維持されていること,構造が変化していないことから確認できた。
Navaneethan Raju, Avtar Singh and Soottawat Benjakul (2021) Recovery, reusability and stability studies of beta cyclodextrin used for cholesterol removal from shrimp lipid. RSC Adv., 11, 23113-23121. DOI: 10.1039/D1RA03282H
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