シクロデキストリンとインスリンの複合体形成-分子モデリングによるアプローチ

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インスリンは、膵臓から分泌されるペプチドホルモンで、1922年にBantingとMacleodによって初めて発見された[5]。51アミノ酸(タンパク源となるアミノ酸のうち17種類)を含む小さなタンパク質で、2本のポリペプチド鎖から構成されている。A鎖は21個のアミノ酸からなり、A1-A7残基とA12-A18残基の間で2つの小さなα-ヘリックスを形成している。糖尿病の主な治療薬はインスリンであるが、活性型はインスリンモノマーであり、長期保存や高温によってモノマーインスリンがβ-シートに富んだ別のフォールドに適応するため不安定な分子であり、薬学的に不活性である。本研究の目的は、医薬品添加物として使用されているすべてのシクロデキストリン(ネイティブシクロデキストリン、メチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチルエーテル置換β-シクロデキストリン)とインシリコ条件で、分子モデリングプログラムAutoDockを用いて様々なインスリン複合体を形成することである。インスリンモノマーと複合体を形成するのに最適なシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体の種類を決定し、モル比、複合体のコンフォメーション、シクロデキストリンとインスリンの間に形成される分子間水素結合を予測することである。AutoDockプログラムによって計算された結果から、インスリンは5-7分子のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンまたはスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンと安定な複合体を作ることができ、複合体を作ることによって、インスリンのアミロイド線維化を防止または遅延させて分子の安定性を向上させる可能性があると予測することができる。

左上:ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの空洞に入る残基A:LEU13(DS 1)。上、右:残基B:PHE1がα-シクロデキストリンの空洞に入り込んでいる。中:スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(DS 3)の空洞に入る残基B:HIS10。下左:γ-シクロデキストリンの空洞に入る残基B:TYR16。下、右:ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(DS 2)の空洞に入る残基B:LYS29。

Bucur, P.; Fülöp, I.; Sipos, E. Insulin Complexation with Cyclodextrins—A Molecular Modeling Approach. Molecules 202227, 465. https://doi.org/10.3390/molecules27020465

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