ガドリニウム系造影剤の特性向上を求めて,シクロデキストリン(CD)は高分子量の親水性足場として注目されている.これらの親水性がMRIの効果に与える影響については、DOTA(1,4,7,10-テトラアザ-シクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸)またはTTHA(3,6,9. 12-テトラキス(カルボキシメチル)-3,6,9,12-テトラアザテトラデカン-1,14-二酸)配位子は、それぞれGd3+イオンの内側の配位圏に1つ(q = 1)または水分子なし(q = 0)を可能にする。このような配位子をアミド結合を介して固定化する独自の合成経路を開発した。CDマクロ環のアルコール及びエーテル酸化物機能がGd3+錯体の緩和特性に及ぼす影響を説明するために、1H核磁気緩和分散(NMRD)プロファイル及び17O横方向緩和率を様々な温度で測定した。非水和GdTTHA錯体を有する水酸基化-CDと過メチル化-CDの間で観察された違いは、水酸基の周りの水素結合水分子によって誘導される第二の球の緩和率への寄与によって合理化することができる。対照的に、DOTAアナログでは、Gd3+に直接配位された水分子の交換率は、CD上に存在する水酸基の数に明らかに影響され、それは順番に緩和率に影響を与え、これらの親水性システムの非常に複雑な挙動を生じさせる。
Biscotti, A.; Estour, F.; Sembo-Backonly, B.-S.; Balieu, S.; Bosco, M.; Barbot, C.; Pallier, A.; Tóth, É.; Bonnet, C.S.; Gouhier, G. Gd3+ Complexes Conjugated to Cyclodextrins: Hydroxyl Functions Influence the Relaxation Properties. Processes 2021, 9, 269. https://doi.org/10.3390/pr9020269
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