熱電材料は、1821年にThomas Johann Seebeckによって発見され、廃熱回収、冷凍などの用途に使用され、世界的な省エネルギー、汚染物質削減の取り組みに大きく貢献することができる。
熱電材料の性能に影響を与えるパラメータは、適切に設計された物質で高い熱電効率値を得る可能性について楽観的な見通しを可能にする。熱電変換を利用したデバイスには、宇宙空間や軍事用途で使用されるセンサーや機器などがある。
最近、東京と福岡の研究者グループが、PEG化α-シクロデキストリンによって調節されたヨウ化物/三ヨウ化物の酸化還元反応に基づく高効率セルを報告し、熱誘導による錯形成と放出現象が見られることを明らかにした[1]。CDホストは、サーモセルの低温側で三ヨウ化物を捕獲する。一方、高温側では、三ヨウ化物のアニオンの解離が促進される。PEG鎖は、競合する(自己)錯体部位として作用する。この構成により、電極間に電気化学的に活性な三ヨウ化物イオンの大きな濃度差が生じる。
このようなユニークな構造設計と超分子メカニズムにより、高効率の熱電対を構築することに成功した。
High Positive Seebeck Coefficient of Aqueous I–/I3– Thermocells Based on Host–Guest Interactions and LCST Behavior of PEGylated α-CyclodextrinYimin Liang, Joseph Ka-Ho Hui, Masa-aki Morikawa, Hirotaka Inoue, Teppei Yamada, and Nobuo KimizukaACS Applied Energy Materials 2021 4 (5), 5326-5331DOI: 10.1021/acsaem.1c00844
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