本研究では、アルカリ性カリウムイオンを用いた水熱法により、β-シクロデキストリン系金属有機フレームワーク(β-CDMOF)の合成に成功した。また、合成後の戦略に基づき、天然の食用大豆殻多糖類をコーティングすることで、硬質β-CDMOFを含むグリーンソフトマターの開発を容易に行うことができた。β-CDMOF, デンドリコロイド及びβ-CDMOF複合体(β-CDMOF@SHP)のモルフォロジー, 結晶構造, 熱, 赤外特性を調べた。光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡の結果、SHPは散乱したβ-CDMOFを樹枝状ハイドロゲルに捕捉できることがわかった。さらに、SHPとβ-CDMOFの間には弱い相互作用(配位と水素結合)が存在することをX線光電子分光法(XPS)とフーリエ変換赤外分光法(FTIR)で確認した。このことから、再生可能で、硬くて柔らかい樹枝状のβ-CDMOF@SHPは、食品、ろ過膜、医薬品の形成などに応用できる可能性を秘めていると考えられる。
Wang, S., Shao, G., Zhao, H. et al. Covering soy polysaccharides gel on the surface of β-cyclodextrin-based metal–organic frameworks. J Mater Sci 56, 3049–3061 (2021). https://doi.org/10.1007/s10853-020-05491-9
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