グラム陰性菌は、その外膜の本質的な透過性バリアのために、抗生物質に対して多くの防御機能を持っており、一般的な感染症や生命を脅かす感染症が不治の病であることを説明している。我々は、すべてのグラム陰性菌に対して有望な活性を示す新薬PPA148の処方を報告する。
本研究は、グラム陰性菌に対して有望な活性を示す新規疎水性抗菌剤PPA148を用いた抗生物質-シクロデキストリン-イン-リポソーム(ACL)製剤の初めての報告である。HPβCDおよびRAMEBという2種類の修飾βシクロデキストリンとの相互作用により,薬剤の水溶性が向上した。ACLは、薬物/CD複合体そのものと比較して、細菌の阻害に有意な差を示さなかったが、細菌のエンベロープの外膜および内膜の両方と相互作用し、その提案された作用機序を界面技術を用いて分子レベルで検証した。その結果、リポソームは複合体のキャリアとして機能し、外膜に融合することでペイロードの放出を促進し、RAMEBは内膜を介した輸送を可能にすることが示唆された。中性子反射率を利用して、モデル外膜との相互作用によるフルイドソームのエンベロープ破断メカニズムの可能性を示すことに成功した。
本研究で得られたACLの分子的理解は、ACLが疎水性の抗菌剤として有望であることを示している。ACLの製剤は、グラム陰性菌のOMとIMの両方を標的とし、薬剤の溶解性を高めてバイオアベイラビリティを向上させるため、AMR対策に貢献すると考えられる。
Vandera, K-K. A., Picconi, P., Valero, M., González-Gaitano, G., Woods, A., Zain, N. M., Bruce, K., Clifton, L. A.,
Skoda, M. W. A., Rahman, K. M., Harvey, R. D., & Dreiss, C. (2020). Antibiotic-in-cyclodextrin-in-liposomes:
formulation development and interactions with model bacterial membranes. Molecular Pharmaceutics, 17(7), 2354-2369. https://doi.org/10.1021/acs.molpharmaceut.0c00096
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