第4章 ハンガリーにおけるシクロデキストリン生産の歴史

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本章では、日本とほぼ同時期に、20世紀の70~80年代にハンガリーでシクロデキストリンの製造が開始された経緯を紹介する。適切な酵素の発見と単離、変換混合物から個々のシクロデキストリンの分離、生成物の分析、そして数トンのβ-シクロデキストリンの製造が開始されるまでの数百キログラム規模へのスケールアップなどの困難は、徐々に克服されていった。また、α-およびγ-シクロデキストリンの製造方法についても検討し、いくつかの実験ロットを得た。ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンやβ-シクロデキストリンビーズポリマーも同様に、政変により生産が中止されたが、工業化の準備は整っていた。Szejtli教授の率いる研究室は、シクロデキストリン研究開発の知識センターとなった。ハンガリーでのシクロデキストリン生産が20年ほど途絶えた後、この研究室(現在のサイクロラボ)は、β-シクロデキストリンを出発原料としたスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンを生産する会社となった。

Fenyvesi, É., Seres, G., Szente, L. (2020) History of Cyclodextrin Production in Hungary. In: Crini, G., Forurmentin, S., Lichtfouse, E. (eds.) The History of Cyclodextrins. Springer, New York. pp. 181-218. https://www.springer.com/gp/book/9783030493073

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