最近、球状および単分散の銀ナノ粒子(AgNPs)の調製に関するスルホブチルエーテル-β-CD(SBE-βCD)の革新的な応用が報告された[1]。
SBE-βCD 水溶液を用いた AgNPs の合成は、還元剤として NaBH4 を用いることなく成功し、走査型電子顕微鏡 (SEM-EDX) と UV-vis 分光法で実証された。AgNPsの特性、例えば平均サイズや表面電荷は、動的光散乱とゼータ電位測定によって決定された。
SBE-βCDのAgNPs安定性への影響は、フェントン様反応による酸化でナノ粒子が溶解し、紫外スペクトルにおいて400nm付近の表面プラズモンバンドが徐々に消失するのを追跡することで観察された。
その結果、SBE-βCD分子はAgNPsの周囲に位置する傾向があり、安定化剤として作用して水溶液中での凝集を阻害していることがわかった。このことから、SBE-βCD がナノ粒子の抗菌性を向上させる可能性が示唆された。
[1] Guido Angelini, Carla Gasbarri “Green synthesis and properties of silver nanoparticles in sulfobutylether-β-cyclodextrin aqueous solution” Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects 2022, 633, 127924. Available online 17 November 2021.
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