架橋2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを用いたNPCの治療
ニーマン・ピック病C型(NPC)は、コレステロールなどの脂質やスフィンゴシンを含む複数のスフィンゴ脂質の細胞質蓄積につながる細胞内輸送異常を病態生理学的に特徴とする重症の神経粘膜障害であり、その治療法として、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)という化合物が知られている。HPβCDは、コレステロール複合体化能の高い化合物であり、現在、NPCの治療薬として臨床研究が行われている。しかし、血中半減期が短いため、治療効果を得るためには高用量の投与が必要である。