シクロデキストリン(スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン;SBECD)は、Covid-19に対する最も強力な製剤(ベクルリー)に使用されているので、シクロデキストリンニュースブログの読者は、高度の影響など、現在のパンデミックのシクロデキストリンに関連しない側面にも興味を持っているはずである。
歴史的背景。1952年に発表された初期の論文(Kalter SS, Tepperman J. Influenza virus proliferation in hypoxic mice. Science. 1952:621-2)では、低酸素マウス(高所、低気圧下で飼育)でのインフルエンザウイルス感染は、海面/通常の大気条件で飼育されたマウスよりも顕著ではないという観察結果が報告されている。1955年には、高地への順化がインフルエンザAウイルス感染症に対するマウスの感受性に及ぼす影響についても同様の観察が報告されている。(Berry LJ, Mitchell RB, Rubenstein D Proc Soc Exp Biol Med. 1955;88:543-8)。著者らは、海抜約6000mの模擬高度に3週間順応させたマウスは、通常のコントロールマウスよりも、人為的に誘導されたインフルエンザAウイルスPR8株への感染に対して抵抗性が高いことを発見した。さらに、高所順化したマウスは、感染後も通常の気圧で維持したマウスよりも有意に高い抵抗性を示した。これらの結果は、これらの動物の肺組織のクエン酸含量が正常マウスと比較して減少し、ウイルス合成能力が低下することから、高地適応に伴う代謝障害によるものである可能性が示唆されている。
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