組織工学のためのα-シクロデキストリンベースのポリロタキサン

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リボフラビン(RBF)を介した光架橋性ポリロタキサン(PRX)は,生体組織への固定化を目的として設計された。特に、アダマンタン分子でエンドキャップされたポリエチレングリコール鎖に、アミノ基を持つ複数のα-シクロデキストリン(α-CD)を連結したアミノ基付きPRXを合成した。33個以上のアミノ基を持つPRXは,RBFの存在下でUV-A光を照射することで架橋し,ハイドロゲルを形成した。ゲル化までの時間は最短で約15分であった。PRXハイドロゲルは、マウス線維芽細胞の優れた接着性と拡がりを示した。さらに,モデル組織である豚の大動脈の表面に光架橋すると,アミノ基を持つPRXは組織に強く固定された。さらに,アミノ基を有するPRXは,組織の切開部をうまく閉じることが確認された。このように,光架橋性PRXは,生体組織の修復・再生を目的とした超分子ベースの組織接着性生体材料として,組織工学用足場材,柔軟な組織接着剤,止血剤,注入可能なハイドロゲル,複雑な構造を持つ生体組織を修復するための3次元印刷可能なハイドロゲルなどに応用できる可能性がある。

Yoshinori Arisaka, Nobuhiko Yui (2021) Anchoring α-cyclodextrin-based polyrotaxanes to biological tissues via riboflavin-mediated photo-crosslinking, Materials Letters, 290,129460, https://doi.org/10.1016/j.matlet.2021.129460

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