γ-シクロデキストリンポリマーは、医薬・食品分野や環境浄化分野での代替品となる。

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結晶性環状オリゴ糖であるγ-シクロデキストリン(γCD)は、革新的なポリマーを調製するために使用することができる、天然で無害かつ生分解性の前駆体である。本研究では、結晶性のγCDと毒性のないPEGDGEをアルカリ水溶液中で架橋反応させることにより、一連の架橋γCDを合成した。すべてのγCPCD架橋体サンプルは、水や様々な有機溶媒に溶解し、Tg値が-23℃と低い非晶質の材料特性を示した。さらに、この架橋体(γCPCD)を、i)追加のPEGDGE架橋剤を用いた硬化反応により不溶性ポリマー(Cur-γCPCD)を形成し、ii)ニトロ化反応により有機溶媒に可溶なニトロ化誘導体(γNCPCD)を得ることができた。硬化したポリマーは様々な溶媒で優れた膨潤性を示し(蒸留水で最大200%)、Tgはさらに低く-37℃であった。一方、ニトロ化した誘導体は190℃までの良好な熱安定性を示し、Tgは+19℃であった。

本研究では、様々な形態のγCPCDが、食品や医薬品の製剤の高分子材料として開発できることが明らかになった。Cur-γCPCDの膨潤特性は、薬物送達制御システムとして特に興味深いものであり、硝酸化されたγNCPCDは医薬品の有効成分として興味深いものである。これらのシステムが様々な分子を可溶化し、安定化させる能力については、γCDのトロイド形態とネットワーク形態の相乗効果を期待して研究中である。この新しいポリマーは、環境中の汚染物質を複合化して除去するための有望な材料である。

E. Dossi, M. Bolton, G. Kister, A. Afsar, Cross-linking of γ-Cyclodextrin Using Non-toxic Polyethylene Glycol Spacer Units, ChemistrySelect 2021, 6, 7727–7731, doi.org/10.1002/slct.202101963

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