一酸化炭素を生体内で高感度に定量するためのCD誘導体

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分析
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一酸化炭素(CO)は、サイレントキラーとして知られるガス状分子である。血液中のカルボキシヘモグロビン(CO-Hb)の増加がCO中毒を定義する最良のバイオマーカーであると広く信じられているが、組織中のCO蓄積が死亡率の最も高い直接原因であるという事実はあまり調査されていない。組織中のCO含有量を正確に測定するには、ガスクロマトグラフィー以外に信頼できる方法がないのが現状である。ここでは、鉄(II)ポルフィリンとシクロデキストリン2量体からなる合成超分子化合物であるhemoCD1の特性と使用法について報告する。この化合物は、生体試料中のCOを定量するための簡便な比色法のためのアクセス可能な試薬である。本法は,通常の環境下およびCO曝露後にラットから採取した様々な臓器組織を用いて検証した。CO処理後の血中および組織中のCOの動態プロファイルから、組織へのCOの蓄積は循環しているHbによって阻止されることが示唆され、CO中毒におけるHbの保護的役割が明らかになった。さらに、HmoCD1をCO除去剤としてin vivoで使用したところ、HmoCD1がO2換気の補助剤として効果的に働き、脳を含む臓器に蓄積した残留COを除去できることがわかった。これらの知見は、CO中毒に伴う毒性を抑制するための新たな治療法の可能性を示すものである。

Mao, Q., Kawaguchi, A.T., Mizobata, S., Motterlini, R., Foresti, R., Kitagishi, H. (2021). Sensitive quantification of carbon monoxide in vivo reveals a protective role of circulating hemoglobin in CO intoxication. Commun Biol 4, 425. https://doi.org/10.1038/s42003-021-01880-1

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