大腸手術およびダヴィンチ手術におけるスガマデックスの使用について

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従来、手術終了後の神経筋遮断薬の無効化には、コリンエステラーゼ阻害剤が使用されてきた。最近では、スガマデックスの依存度が高まっている。スガマデックスはγ-シクロデキストリン分子であり、ステロイド系神経筋遮断薬を速やかに可逆化する。大腸手術後の使用が一般的になってきており、反転の速さは間違いなく向上しているが、スガマデックスが術後の臨床転帰に影響を与えるかどうかは不明である。この系統的レビューとメタアナリシスの目的は、大腸手術中にスガマデックスを投与された患者の術後成績を、対照薬投与群と比較することである。[1]

2000年にダヴィンチ手術システムが一般的な腹腔鏡手術用としてFDAに承認され、初めて市販されたロボット手術システムとして注目されるようになった。本研究の目的は、ダヴィンチ手術を受けた患者における術後肺合併症(PPC)の発生率を明らかにし、PPCの発生率がスガマデックスの使用によって影響を受けるかどうかを観察することであった。PPCの全発生率は30.3%(101/333例)であったが、スガマデックスを投与された患者のPCC発生率(24.2%)は、投与されていない患者(37.3%)より有意に低いことがわかった(p = 0.001)。[2]

大腸手術の場合、スガマデックスの使用による呼吸器系有害事象のリスクの有意な改善は認められなかったが、ダヴィンチ手術ではスガマデックスの使用によりPPCのリスクは減少した。

[1] Andrew T. Chen, Ashaka Patel, Tyler McKechnie, Aristithes G. Doumouras, Dennis Hong,
Cagla Eskicioglu (2022) Sugammadex in Colorectal Surgery: A Systematic Review and Meta-analysis. JSR Surgical Research 270, 221-229. https://doi.org/10.1016/j.jss.2021.09.026

[2] Cheng, Kuang-I., Jockey Tse, and Tzu-Ying Li. (2022) The Strategy to Use Sugammadex to Reduce Postoperative Pulmonary Complications after da Vinci Surgery: A Retrospective Study. Journal of Personalized Medicine 12, 52. https://doi.org/10.3390/jpm12010052

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