光治療の非選択性と光治療剤の疎水性により、抗生物質耐性菌の治療への応用が制限されている。本研究では,β-シクロデキストリン誘導体で機能化した酸化グラフェン(GO)/窒化グラファイト(g-C3N4)抗菌材料(CDM/GO/CN)を設計・合成した。CNは光線力学療法(PDT)の光増感剤として、GOは光熱療法(PTT)の光熱材として使用される。また,基板上の超分子ホスト・ゲスト複合体は,基板固有の水溶性を高め,光増感剤・光熱剤の凝集を抑えるだけでなく,光増感剤・光熱剤と細菌の相互作用を操作し,特定の細菌を捕捉することが可能である。PTTによる温熱作用は、細胞膜上のタンパク質を変性させ、活性酸素種(ROS)が細胞内に入りやすくなり、細菌を死滅させることができる。マンノースによる大腸菌CICC 20091の特異的な捕捉は、殺菌効率を大幅に向上させ、副作用を低減させる。相乗効果のある抗菌剤は、635+808nmの2重光照射10分後に大腸菌CICC 20091に対して99.25%以上の優れた抗菌効果を示す。さらに、細胞増殖実験から、この複合材料は良好な生体適合性を有していることが示され、細菌感染症への応用が期待される。
Ting Wang, Zhenlong Bai, Wei Wei, Fengming Hou, Wei Guo, and Ang Wei (2022) β-Cyclodextrin-Derivative-Functionalized Graphene Oxide/Graphitic Carbon Nitride Composites with a Synergistic Effect for Rapid and Efficient Sterilization.: ACS Appl. Mater. Interfaces 14, 1, 474–483
https://doi.org/10.1021/acsami.1c24047
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