スガマデックスとクロルプロマジンとの複合体形成–非常に高い安定度定数

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CD誘導体
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ITC及びNMRを用いた詳細な研究に関するin press論文において、スガマデックスとクロルプロマジンは6.37×109 M(-2)という極めて高い安定度定数を有するモル比1:2の複合体を形成する結果が報告された。

本研究の目的は、骨髄性白血病治療のための抗精神病薬クロルプロマジンの新剤形を開発することであった。長年、知られているこの薬剤を再利用するには、中枢神経系の副作用を避けるために、血液脳関門を通過するのを防ぐ薬物送達システムが必要である。最初のステップとして、天然のシクロデキストリンおよびその誘導体との相互作用を研究した。複合体は、熱容量変化、一次元および二次元(ROESY)NMR分光法および分子動力学シミュレーションによってさらに特徴づけられた。最後に、シクロデキストリンによる光分解に対するクロルプロマジンの保護効果も評価した。いくつかのケースでは分子動力学シミュレーションによって補完された包接錯体の構造調査(1D 1H NMRおよび2D ROESY)により、異なるシクロデキストリンがその空洞内のクロルプロマジン分子の異なる領域または配向を含んでいることが明らかになった。しかし、研究に用いたすべてのシクロデキストリンはまた、薬物の光分解を促進した。

試験に用いたCDは以下の通り。α-CD(キャバマックス®W6ファーマ)、RAME-β-CD(キャバゾール®W7Mファーマ)、HP-β-CD(キャバゾール®W7HPファーマ)、γ-CD(キャバマックス®W8ファーマ)、HP-γ-CD(キャバゾール®W8HPファーマ)である。β-CD(KLEPTOSE®)、CRYSME-β-CD(KLEPTOSE® CRYSMEB EXP)、DIME-β-CD(CycloLab)、TRIME-β-CD(BioCydex)、SBE-β-CD(Captisol®)、SBE-γ-CD(Ligand)、sugammadex(Bridion®)など。

図1は、分子動力学シミュレーションにより得られたクロルプロマジン(CPZ)複合体の構造を示す。

β-CD/CPZ(1:1)、DIME-β-CD/CPZ(1:1)およびスガマンデックス/CPZ(1:2)複合体の推定分子構造

Z. Wang, D. Landy, C. Sizun, C. Cézard, A. Solgadi, C. Przybylski, L. de Chaisemartin, L. Herfindal, G. Barratt, F.-X. Legrand (2020) Cyclodextrin complexation studies as the first step for repurposing of chlorpromazine. International Journal of Pharmaceutics
Available online 4 May 2020, 119391
In Press
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378517320303756

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