なぜ親水性のシクロデキストリンとの包接体の形でスタチンを投与するのか?

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本研究では,脂質膜の構造と性質に対するシンバスタチン(SIM),2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)およびそれらの複合体(SIM:HPβCD)の影響を,ラングミュア法と偏光変調赤外反射吸収分光法(PM-IRRAS)を組み合わせた手法で初めて検討した。本研究で得られた重要な知見は以下のようにまとめられる。

シンバスタチンをジミルストイルホスファチジルコリン(DMPC)、コレステロール、および混合ラングミュア単分子膜に取り込むと、薬物濃度の増加に伴い単分子膜の流動化が進み、薬物をHPβCDとの包接複合体の形で送達した場合には、不要な流動化の程度ははるかに小さかった。
表面圧力の研究から、SIM:HPβCD複合体の形で膜に送り込まれた薬物が、脂質層と接触すると複合体から解離することが初めて明らかになった。
複合体から放出されたシクロデキストリンリガンドは、HPβCDの外側の極性部分と脂質層の極性ヘッドグループとの間の弱い相互作用により、膜表面近くに留まっていた。この相互作用は、放出された親油性薬物の膜へのスムーズな取り込みを促進する。
より長い時間スケールで、あるいはSIM:HPβCD複合体を含む下層の単層圧縮/減圧を繰り返した場合、SIMによる脂質膜への浸透は、シクロデキストリンによる単層からのコレステロール(DMPCではない)の抽出を伴っていた。Chol-CD複合体の形成は、ヒステリシス曲線から計算された熱力学データによって証明された。膜からのコレステロールの除去は、コレステロール低下療法におけるコレステロール生合成の阻害剤としてのスタチンの機能を裏付けるものである。

Aleksandra Bartkowiak, Dorota Matyszewska, Agata Krzak, Michalina Zaborowska, Marcin Broniatowski, Renata Bilewicz, Incorporation of simvastatin into lipid membranes: why deliver a statin in form of inclusion complex with hydrophilic cyclodextrin, Colloids and Surfaces B: Biointerfaces, 2021, 111784,
https://doi.org/10.1016/j.colsurfb.2021.111784.

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