レムデシビルとスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンの相互作用。選択された置換パターンを用いたケーススタディ

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SBECDと中性またはプロトン化したレムデシビルとの相互作用について、複数のITC測定と計算機によるMDシミュレーションを用いて、構造および熱力学的解析を行った。熱量測定の全体的な解析から、pH3では会合定数〜104の比較的強い複合体が形成されることが示唆された。フィッティングモデルに活性CDの割合を考慮した追加パラメータを導入する必要があることから、大量の構造体では薬物を効果的に封じ込められないことが示された。中性のpHでITC測定を行ったところ、強いシグナルは得られなかった。これは、この条件では相互作用が弱いためと考えられるが、対応する等温線の分析では決定的な結果は得られなかった。両方のpH値において、SBECDの希釈に対応するシグナルは比較的大きく、薬物分子との相互作用から生じるシグナルに匹敵するものであった。この信号の源はさらなる研究に値するが、その大きな値は、カプティゾルとレムデシビルまたは他の薬剤との分析において考慮すべきことを示している。ITC測定の分析では、CAPTISOLからなるCD構造の分布全体について、グローバルな熱力学パラメータが得られるが、SBEの置換の数と位置がどのように薬剤のカプセル化に有利なのかという情報は得られない。そこで、SBEを7個、6個、5個置換した3種類の構造を用いて、MDシミュレーションを行った。これらのシミュレーションにより、カプセル化のメカニズムに関する完全なエネルギープロファイルが得られ、レムデシビル分子がCDの二次側に自発的に結合し、優先的に「上」の向きで結合することが示された。CDの一次側からの薬物の侵入は、すべての構造体において、高いエネルギー障壁によってブロックされていた。さらに,シミュレーションでは,薬物との結合は,プロトン化した場合(低いpH値に対応)の方が,帯電していない場合(中性のpH値に対応)よりも有意に強いことが明確に示された。PMFプロファイルから得られた結合定数の値は,SBEの置換数が最も少ない構造で結合が弱いことを示しており,親和性はSBECDからなる構造の数と位置に大きく依存するというITCの結論とも一致している。

Ángel Piñeiro, James Pipkin, Vince Antle, Rebeca Garcia-Fandino,
Remdesivir interactions with sulphobutylether-β-cyclodextrins: A case study using selected substitution patterns, Journal of Molecular Liquids, 2021, 117157, https://doi.org/10.1016/j.molliq.2021.117157.

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