ファイザー社の新規経口抗ウイルス剤候補COVID-19の開発におけるHPBCDの役割

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医薬品への応用
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ファイザー社の画期的な新薬候補であるPF-07321332は、リトナビルとの併用により、COVID-19感染症による入院や死亡のリスクを低減することに成功した[1]。また、ファイザー社が米国FDAに提出している緊急使用許可(EUA)申請の一環として、臨床試験データの提出が近日中に予定されている[2]。

ファイザー社の主要な研究者の発表によると、HPBCDはPF-07321332の強力な可溶化剤である[3]。前臨床試験では,Wistar-Han系ラットおよびカニクイザルの雄を用いて,血漿中濃度を測定した。ラットにはPF-07321332を10%DMSO/30%PEG400/60%脱イオン水で溶解した溶液を静脈内投与したが、サルには5%(v/v)PEG400:95%(v/v)の23%2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンをリン酸ナトリウム緩衝液pH=6.0で溶解した溶液を投与した。

HPBCDが最終的な経口剤(PAXLOVID™という商品名で販売される予定)に適用されるかどうかはまだ公表されていないが、前臨床の医薬品開発段階では、シクロデキストリンが溶解したモデルのiv.溶液の役割は非常に重要であった。少なくともサルはDMSOにさらされていなかったが、不運なラットとは違って…。

[1] https://www.science.org/doi/10.1126/science.abl4784

[2] https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizers-novel-covid-19-oral-antiviral-treatment-candidate

[3] https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.07.28.21261232v1.full

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