本研究の目的は、COVID-19の成人患者に対するRNAポリメラーゼ阻害剤であるレムデシビルの有効性を評価することである。
52の無作為化臨床試験がスクリーニングされ、4つの研究が解析に含まれ、合計7324人の患者が対象となった。レムデシビル投与群は対照群と比較して、臨床症状の改善率が有意に高く(OR=1.52(95%CI 1.24~1.87)、p<0.0001、低質)、臨床症状の改善までの時間も早かった(HR=1.28(95%CI 1.12~1.46)、p=0.0002、非常に低質)ことが確認された。重篤な有害事象の発生率は、レムデシビル投与群で有意に減少したが(RR=0.75(95%CI 0.62~0.90)、p=0.0003、低質)、呼吸不全の発生率(RR=0.85(95%CI 0.41~1.77)、p=0.67、超低質エビデンス)には差がなかった。また、レムデシビルは対照群と比較して、死亡率の改善は認められなかった(OR=0.92(95%CI 0.79~1.07)、p=0.30、中程度の質のエビデンス)。
Surjit Singh, Daisy Khera, Ankita Chugh, Pushpinder Singh Khera, and Vinay Kumar Chugh: Efficacy and safety of remdesivir in COVID-19 caused by SARS-CoV-2: a systematic review and meta-analysis. BMJ Open. 2021; 11(6): e048416. doi: 10.1136/bmjopen-2020-048416
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